2月24日に、以前からお世話になっている東京大学の重田先生らが主催された
オープンエデュケーション・ワークショップ「オープンな教育を創って学ぼう!」 に参加してきました!
どういった内容のものだったかというと、その概要がこちら↓(重田先生のブログから引用)
近年、欧米諸国を中心にオープンエデュケーションと呼ばれる活動が活発になっています。大学をはじめとする様々な教育機関や個人が、インターネット上に教 育用途に自由に使えるオープン教材(OER:Open Educational Resources)を公開し、大学はオープンコースウェアをはじめとする大学教育に使われる教材を無償公開しています。最近では MOOCs(Massive Open Online Courses)と呼ばれる、教育ベンチャー企業や大学が百万人規模でオンライン教育を行う取り組みが急速に広がっています。
このようなオープンエデュケーションの活動とは、いったいどのようなものなのでしょうか。なぜ、ここまで活動が急激に広がってきたのでしょうか。この活動 は、誰が、どのような方法で、どのような支えを受けて進められているのでしょうか。オープンエデュケーションは、既存の教育を変えうるものなのでしょう か。「オープンエデュケーション・ワークショップ」では、このようなオープンエデュケーションに関する問いや疑問、可能性と課題について、主催者と参加者 が共に考えます。
「オープンエデュケーション・ワークショップ」は二部構成となっています。
第一部では、オープンエデュケーションに関する「基礎知識」を整理します。オープンエデュケーションの活動について、さまざまな事例をもとに質疑応答を交 えながら解説します。ここではまず、オープンエデュケーションとは何なのか、未来の教育に対してどのような可能性や課題を持っているのかについて、参加者 の方々の知識を整理して頂きます。
第二部では、オープンエデュケーションを「創ることで学ぶ」活動を行います。「デザイン思考」の方法をベースにしたグループワークによって、オープンエ デュケーションを利用する学習者の探究ストーリーをつくり、様々なサービスを考案しながら学習者の学びの環境をデザインします。オープンエデュケーション の活動を「提供する側」「利用する側」の両面から考え、実際の学習シーンにあてはめてみることで、オープンエデュケーションの持つ可能性や限界について、 理解をより深めて頂きます。
要するに、既に知っている人も、知らない人も、近年注目を集めている「オープンエデュケーション」について重田先生のお話を聞きながら整理し、その後、その知識を使って楽しいアクティビティをしよう!という構成ですね。
実際に行くと、参加者の方々は大学関係者から企業の方々、大学院生など年齢層も様々でした。学部生は私を含め2、3人だったような気がします(もっと学部生も増えてほしい。。。)
第一部では重田先生がわかりやすくオープンエデュケーションの「今」を解説してくださいました。
途中で使われていたビデオがとても印象的でした。 それがコレ↓
つまり、新しいテクノロジーによって、教育のかたちやありかたが将来大きく変わることが予想されるわけです。(トントン拍子でいくかどうかは別の話ですが。。。)
私にとっては、知識の整理のような話でしたが、全く知らない参加者の方にとっては色々驚く内容が含まれたお話だったのではないでしょうか。
重田先生のお話のまとめもありますのでぜひ。
スライドも共有してくださっています。
やっぱり私が先生のお話の中で気になったのが、「ニーズ」という背景が後押ししてオープンエデュケーションが動いているということですね。
例えば、
「2020年までに67%の職業で学部卒の経歴が必要」というお話がありました。
アメリカの大学では「non-traditionalな学生」 、つまり働きながら勉強をしている、などの「普通の」学生とは異なるタイプの学生が全体の75%を占めるらしいです。
(ところで、学部卒以上じゃなきゃ出来ない職業って、なんでしょうか。。。)
そして彼らはドロップアウト(退学)率も高いので、そこに、はっきりとした「勉強を続けたいのに大学に通えない」というニーズがあるわけです。
ここでインターネットを介したオープンエデュケーションが使われうるということですね。
また、途上国や新興国では学生の数が将来多くなり、大学自体の数が足りなくなるという事態もおこっています。
このような「ニーズ」があるような背景の国では、なるほどオープンエデュケーションも盛り上がるわけです。
そんな中、日本では、どうでしょうか。
大学全入時代と言われ、大学に入学しても単位をとることが目的になってしまい、卒業は単位さえとればできるような状態ともいえます。
また、少子化と言われているのにも関わらず、大学の数はどんどん増えてきています。
そこで、無料で大学の講義を受けることに対する「ニーズ」はあるのでしょうか。
上に書いた海外におけるニーズに対して、日本でも確かに、地方に留まり、第一志望の学校に通うことのできない学生や、中退者は予想以上に多いです。
でもそれらの実状が可視化されていないということもあって、社会的に彼らをサポートする動きは少ないですよね。つまり、「ニーズ」は浮かび上がっていない。
もっとも、その一方で、「この授業を受ける必要がある/受けたい」 というような思いが今の日本の学生の状況からは生まれていないのではという、「学びに対する意欲」の問題もあると思いますが。
MITのOCWは多くの学生が利用しているそうですが、日本の大学のOCWは果たしてどのくらい学生に利用されているのか。。。 う~ん。
もちろんオープンエデュケーションの利用方法や目的は様々ですが、はっきりとした「ニーズ」はこれだ!と言えるようなものがまだ見当たらない(?)日本においては、まだまだ今後試行錯誤が必要といえるのではないでしょうか。
さて
第二部では、関学の武田先生と阪大の森先生主導でグループワークを行いました。
グループごとに仮想の人物「ペルソナ」を創り、その人物がオープンエデュケーションとどう関わっていくかを考えるアクティビティです。
私のグループは学生が一人だったということもあり、私のストーリーをもとにした「ペルソナ」ができました(笑)
このような体験型の活動を通してオープンエデュケーションを捉えるのは新鮮で、とても楽しめました。
懇親会には、京都大学の飯吉先生の授業を受講して興味をもち、はるばるバスで来たという京大生もいて、私自身刺激を受けたと同時に、同じ世代の学生にももっと広めていけたらいいなと改めて感じました。
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